TECH4U SESアカデミー
SESの単価と手取りを比べて『給与が安すぎる』と判断できない理由
SESの単価と手取りの差だけでは、給与の高低は判断できません。若手の単価に含まれる先輩の支援や会社への信用と、給与を額面で比較する理由を解説します。
「自分の単価は○万円なのに、手取りは○万円。会社が取りすぎでは?」と感じることはないでしょうか。
単価と手取りの差だけでは、給与が安すぎるとは判断できません。 確認したいのは、その単価がどのような条件で成立しているか。そして、給与を額面で比較しているかという2点です。
特に若手の場合、自分に付いている単価を、そのまま自分一人の実力への評価と受け取ると、給与を考える前提がずれてしまいます。
特にジュニアの単価は、そのまま本人への評価ではない
SESの単価は、顧客が所属会社へ支払う業務の対価です。本人の技術や担当範囲に加え、仕事を任せられる体制や、会社との取引関係も契約の条件になります。
特にジュニアがリーダーと一緒に入るチーム参画では、本人の名前に付いた契約単価を、そのまま本人の貢献への評価と考えてはいけません。リーダーが作業を切り分け、質問に答え、成果物をレビューする。顧客は、その体制で仕事が進むことに対して発注しています。
たとえば、契約上はリーダー90万円、ジュニア60万円で、合計150万円のチームがあるとします。しかし、実際の貢献度で分けるなら、リーダー120万円、ジュニア30万円に相当するということもあり得ます。
| 配分の見方 | リーダー | ジュニア | チーム合計 |
|---|---|---|---|
| 契約上の単価 | 90万円 | 60万円 | 150万円 |
| 貢献度で分けたと仮定した場合 | 120万円 | 30万円 | 150万円 |
これは契約上の配分と貢献度の違いを説明する仮定であり、相場や実際の査定額ではありません。
難しい設計や判断、顧客との調整、ジュニアの指導や手戻りの対応までリーダーが担っていても、その貢献がすべてリーダーの契約単価に載るとは限りません。チーム全体への対価を、契約上は各メンバーに配分しているからです。
「自分は60万円の価値を出しているのだから、60万円を基準に給与をもらえるはず」と考えると、リーダーの貢献まで自分の評価に含めてしまいます。
ジュニア一人では、その仕事を引き受けられない場合があります。同じ条件で契約できるとは限りません。
さらに、会社がこれまで積み重ねた信用や、案件を探して条件を交渉する営業の仕事も、契約を成立させる要素です。
先輩の支援があって成立する単価と、自分一人で同じ仕事を任されて成立する単価は、金額が同じでも条件が違います。
もちろん、若手だから必ず支援が必要だと決めつけることもできません。経験年数だけでなく、実際にどこまで任され、誰が何を補っているかを見る必要があります。
転職や独立をすると、所属会社の信用や参画体制も変わります。今の契約単価を、そのまま次の会社やフリーランスで獲得できる金額と考えることはできません。
給与を比較するときは、手取りではなく額面を使う
手取りは、給与から税金や社会保険料などを差し引いた後の金額です。差し引かれた分を会社が利益として受け取っているわけではありません。
単価と手取りだけを並べると、本人の給与から控除された分まで「会社に取られたお金」に見えてしまいます。さらに、会社には給与とは別に負担する社会保険料や、営業・管理などにかかる費用もあります。単価から手取りを引いた金額が、そのまま会社の利益になるわけではないのです。
他社の求人や知人の給与と比べるときは、給与明細や雇用条件に記載された額面を使う習慣をつけましょう。
| 比較する項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 額面月給 | 基本給と手当の内訳、毎月変わる部分があるか |
| 額面年収 | 月給に加え、賞与がいくら、どの条件で支給されるか |
| 固定残業代 | 給与に含まれる金額と対象時間 |
月給だけが高くても、賞与や残業代の条件が違えば、年間で受け取る給与の比較は変わります。手取りから額面を推測せず、まず自分の明細を確認してください。
還元率についても、給与だけを指すのか、会社負担の費用まで含むのかで意味が変わります。詳しくは高還元SESの還元率と給与の計算方法で説明しています。
給与に疑問があるなら、担当範囲と評価基準を確認する
会社や先輩の支援があるからといって、現在の給与が妥当だと決まるわけでもありません。給与への疑問を具体的に確かめるには、次の点を整理します。
- 自分が一人で進めている仕事と、先輩が引き受けている仕事は何か
- 給与は何を基準に決まり、単価や担当範囲の変化をいつ反映するのか
- 次にどの仕事を任されれば、昇給の評価につながるのか
単価に給与を連動させる制度があるなら、その計算方法や反映時期に沿って支給されているかを確認できます。担当範囲が広がっているのに評価が変わらないなら、実際に増えた仕事を示して説明を求められます。
「単価と手取りの差が大きい」という印象を、給与明細と評価基準で確認できる疑問に変えること。それが、今の会社で昇給を相談する場合にも、他社の条件と比較する場合にも必要な準備です。
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